アウトドアなどで発電機としても使えそうなポータブル大容量バッテリー「EFDELTA」

著者:諸山泰三

国内市場向けに50/60Hzに対応

EcoFlow Technologyは、2017年に設立されたばかりのポータブル電源メーカーだ。ドローン大手のDJIでバッテリーを開発していたメンバーがスピンアウトしたベンチャーで、創業時のメンバーは4人だけだったという。2017年のCESでポータブル電源「RIVER」を発表後、アメリカのクラウドファンディングで1億円以上の支援を集めるなどの実績を積み、現在は世界に4つの拠点と70人のスタッフを擁すまでになった。

日本は同社にとって4つめの拠点であり、2019年になって開設したばかりだ。北米などで販売している、より容量の小さい「RIVERシリーズ」の国内向けは販売終了し、後継機種となるEFDELTAで改めて国内市場への定着を図る。

大容量ポータブル電源のEFDELTAは、バッテリー容量が1,260Wh、定格出力が1,600W(3,100Wサージ)で、同時に13デバイスに給電できる。バッテリー寿命は800サイクル(60%以上)。ブラックとメタルグレーのすっきりしたボディデザインで、本体サイズはW210×D400×H270mm、重量は13.6kg。複数導入し、縦に積み上げての利用も可能になっている。

ACの出力は国内向けに50Hzと60Hzの両方に切り替えで対応する。出力波形は電力の安定した正弦波を採用するため、冷蔵庫や電子レンジ(650W)、テレビ、扇風機、ドライヤーといった生活家電はもちろん、スマートフォンやパソコンなどの精密な周波数を扱う情報端末にも安心して給電可能だ。家電だけでなく、電動工具や電気自動車(12A)への給電にも対応する。

EcoFlow Technology Japanの掛川直久 常務取締役によると、北米市場ではユーザーの導入目的は大きく三分し、キャンプや車中泊などのアウトドアユース、バックアップ用途のビジネスユース、災害などの非常時へ対策目的で、ほぼ同じくらいの構成比だという。

13デバイスに同時給電可能

EFDELTAのインターフェイスはかなりスッキリしている。正面のディスプレイを搭載する側に6口のUSBコネクタが集められ、背面にACが6口、側面に充電用のコンセントがまとめられている。

ディスプレイのサイズは、W77×H31mmで、電池残量や残充電時間、各ポートの使用状況などが表示でき、高温/低温/ファンのインジケーター、入力電流、出力電流、過負荷警告なども表示する。USBポートは、Type-Aが4ポートとType-Cが2ポートで、Type-Aのうち2ポートは急速充電に対応する。USBポートは使わないときは通電しないことで、バッテリーをより長持ちさせられる。利用するときは、グレーのボタンを押せば良い。

ACのコンセントもUSBポートと同様、使わないときは通電を遮断できる。先にACは50/60Hzの周波数を切り替えて使うと述べたが、具体的にはグレーボタンの長押しで切り替える。

バッテリーの充電は家庭用のコンセントから行え、フル充電になった後はパススルーできるので、置きっぱなしでの運用も問題ない。別売のソーラーパネルを使えばアウトドアで蓄電池としても利用できる。なお、本体は防水や防塵には対応しない。

独自のX-Stream充電テクノロジーにより、0%から80%まで1時間以下の急速充電が可能。ガソリンを使用する発電機と違い、比較的静音で排気もクリーンであり、次世代の給電装置として注目される。

掛川氏によれば「UBSコネクタからの充電の際は、ケーブルの品質によってはoverloadすることがあるので気を付けてほしい」とのことだ。EFDELTAはACとDCでそれぞれ独立して給電をカットするブレーカー機能が備わっている。DCは容量が小さいのであまり落ちることがないが、ACは一定以上の負荷の際にはブレーカーが落ちる。そんな時でも、DC側での給電は継続して利用できるわけだ。

ブレーカーを戻すときは負荷の原因を取り除いた上で、EFDELTAの電源を入れ直せば良い。

電源は安全性が特に重視されるが、EFDELTAでは日本の電気用品安全法に基づく安全基準を満たしている証明となるPSEマークのほか、EUのCEマーク、米国のULマーク、FCCマーク、RoHSなどを取得。世界各国の各種安全基準に準拠する。購入後のメーカー保証期間は2年保障となり、エンドユーザー向けのサポートセンターも国内に近々設置予定という。

1年放置しても使える対自然放電性能

スペックと使い勝手を中心に見てきたが、実はEFDELTAの一番の強みは、これらを支える独自開発のBMS(バッテリーマネージメントシステム)や、PMS(パワーマネージメントシステム)といったソフトウェアにある。

特に充電ロス対策には優れ、1年くらい置きっぱなしでも、自然放電を数%以内に抑えるという。災害対策などに常備しておきたい場合、かなり注目できるポイントになるだろう。なお、そうした使い方をする場合はリチウム電池の特性の関係から、フル充電ではなく50~70%の充電にしておくと良いそうだ。

このほか、現在はまだ実装していないが、停電時などに50ms以下の時間で内部電源に切り替わる機能を追加で搭載するべく、準備を進めているとのこと。UPS(無停電電源装置)としては瞬断時間が長く、サーバなどへの利用は難しいが、ユーザーのパソコンのデータ保護や、無人運用が必要な防災設備、中継機等のバックアップ電源としても活用可能になる見込みだ。

「北米では別荘を自分で建てて、電気を引く代わりにこうした大容量バッテリーを活用する例も結構あります。日本ではそこまでするユーザーは少ないと思いますが、キャンプやフィッシングなどのアウトドアに自動車に積んで持っていったり、DIYのときに工具の電源を取ったりするのに重宝するでしょう」と掛川氏は言う。

国内でもアウトドア、ビジネス、災害対策向けとして、使い勝手の良さをアピールしていく考えだ。

なお、クラウドファンディングの開始と合わせ、代理店・販売店登録プログラムも始めている。一次代理店は特定の市場に対する大きな商流メリットを持ち、EcoFlow製品を広く販売店に届ける商社が登録対象となり、販売先情報や販売実績の共有、在庫保管状況の確認などが行われる。

販売店は自社独自の販売力で正しい製品情報とニーズに合わせたソリューションをエンドユーザーに提案・販売できる販売店が登録対象。製品情報の向上と顧客ニーズに合わせた提案、販売実績の共有、在庫保管状況の確認などが行われる。