ただ、営業許可の取り方や車両の用意、仕込み場所の確保など、固定店舗とは違う準備が必要になります。
この記事では、開業に必要な資格と営業許可、費用の考え方、開業までの流れ、開業後に売上を安定させるポイント、電源の確保方法までまとめて解説します。
キッチンカー開業のメリットとデメリット
キッチンカーには始めやすい面がある一方、特有の難しさもあります。ここでは、メリットとデメリットを整理し、自分に向いているかを判断する材料を紹介します。
固定店舗と比べたときのメリット
最大のメリットは、店舗の内装工事や保証金といった固定店舗ならではの初期投資が不要で、飲食ビジネスに参入しやすいことです。
毎月の家賃は発生しませんが、代わりに出店料や駐車場代がかかるため、固定費を売上に応じた費用へ組み替えられる点が実態に近いメリットといえます。
営業する場所を自分で選べることも強みです。イベントやオフィス街、商業施設など、売れそうな場所へ動けるので、同じメニューでも場所を変えて反応を試せます。
副業や週末だけの営業、将来の独立に向けたテスト運営にも取り入れやすく、生活に合わせて働き方を設計できます。
開業前に把握しておくべきデメリット
天候や季節、出店場所の人通りに売上が左右されやすく、収入が安定するまでに時間がかかる傾向があります。
雨の日や猛暑の日にお客さんが減る前提で、年間を通した売上を考えておく必要があります。
車内の調理スペースが限られるため、メニュー数や仕込み量には上限があります。混雑時は提供スピードが課題になりがちです。
加えて、営業許可の運用や出店先のルールが自治体ごと、施設ごとに異なるため、準備段階で確認する項目が固定店舗より多くなります。
キッチンカー開業に必要な資格と営業許可
開業前に取得や申請が必要なものは、食品衛生責任者の資格、保健所の営業許可、車両に関する手続きの3つです。ここでは、それぞれの内容と注意点を紹介します。
食品衛生責任者の資格
食品衛生責任者は、営業許可や届出を行う施設ごとに設置が義務付けられています。資格がない場合は、各地の食品衛生協会が実施する養成講習会を受講して取得します。
受講料は協会によって異なるため、営業する地域の協会に、日程と費用を事前に確認しておきましょう。
栄養士・管理栄養士・調理師・製菓衛生師・食鳥処理衛生管理者・船舶料理士などの資格を持っている方は、養成講習会を受けなくても食品衛生責任者になれます。
食品衛生監視員や食品衛生管理者になる資格を持つ方も同様です。
食品営業許可の申請
令和3年6月から、食品関係の営業許可と営業届出の新しい制度が始まっています。
キッチンカーで食品を販売するには、取り扱う品目に応じて、保健所の営業許可または営業届出が必要です。
申請先は自治体によって異なります。北海道では営業基地の所在地を所管する保健所、埼玉県では自動車の保管場所または営業予定場所を管轄する保健所への相談が案内されています。
申請は、食品衛生申請等システムから行える自治体もあります。
また、販売内容によっても扱いが異なるため、保健所に確認しておきましょう。仕様はメニューの調理工程で変わるため、車両の製作前に管轄の保健所へ相談するのが確実です。
自動車関連の手続き
キッチンカーは車両として、車検と自賠責保険が必要です。任意保険は法律上の加入義務はありませんが、事故の補償に備えて加入するのが一般的です。
ベース車に調理設備を取り付けて、寸法や乗車定員、車体の形状、用途などが変わる場合は、構造等変更検査を受ける場合があります。
軽微な変更の範囲かどうかは、運輸支局に確認しましょう。
任意保険には、「日常・レジャー」「通勤・通学」「業務」の使用目的の区分があります。
使用目的は告知事項のため、実際の使い方と異なる内容で契約すると、契約が解除されて保険金が支払われなくなる可能性があります。
営業日数の見込みを伝えたうえで、キッチンカーとして契約できるかを保険会社に確認してください。
キッチンカー開業にかかる費用の目安
開業費用は、車両の仕様、営業する地域、売るメニューによって大きく変わります。ここでは、費用の項目と見積もりの取り方、収支を考える視点を紹介します。
車両の取得費用
車両の取得費用は、新車か中古か、製作会社に架装を依頼するか、できあがった移動販売車を買うかで変わります。
同じ車種でも、貯水タンクの容量や調理機器の数によって金額が上下するため、一律の相場を当てはめないようにしましょう。
実際の金額を把握するには、製作会社への見積もり依頼と、管轄保健所への設備要件の確認をセットで行います。
見積もりを依頼するときは、「どの自治体で営業するか」「何を販売するか」「車内でどこまで調理するか」を伝えると、要件に合った仕様で金額が出ます。
構造等変更検査にかかる費用も、見積もりに含まれているか確認しましょう。
設備・備品・食材の初期費用
車両以外にも、調理機器、冷蔵・保冷設備、什器、包装資材、初回の食材仕入れなどの費用がかかります。ユニフォームやのぼり、メニュー表も用意が必要です。
食品衛生責任者の養成講習会の受講料や、営業許可の申請手数料(自治体によって異なります)も、開業前に必要な費用です。
メニューの調理工程が複雑になるほど、調理機器の数と設備投資が増える傾向があります。
キャッシュレス決済端末は、現金のみの対応だと買い逃しにつながりやすいため、開業時から導入しておくと安心です。
ランニングコストの内訳と収支の目安
主なランニングコストは、食材費、出店料、燃料費、駐車場代、保険料、車検やメンテナンス費、仕込み場所の利用料、決済手数料です。
出店料は売上に応じて支払う方式と定額の方式があり、出店先によって異なります。
固定店舗と違って家賃は通常発生しませんが、駐車場代や仕込み場所の賃料などが発生する場合があるため、事前に確認しておきましょう。
収支は、「月の目標売上」から上記の費用を引いて試算します。損益分岐点は、客単価、1日の販売数、出店頻度、メニューの原価によって変わります。
開業前に、月の営業日数と1日の想定販売数から売上を置き、費用を一つずつ当てはめた試算表をつくっておくと、資金計画の判断材料になります。
キッチンカー開業の流れ
準備は、事業計画からスタートし、試験販売を経て開業日を迎えます。ここでは、4つのステップを順に紹介します。1.事業計画とメニューの決定
最初に決めるのは、何を売るか、誰に売るか、どこで売るかの3点です。ここがぶれると、車両の仕様も出店場所も定まらず、後の準備が進みません。
「おいしい」と「儲かる」は別の話です。原価率、調理時間、提供スピードを考えたメニュー設計が、混雑時にも安定して提供できる体制につながります。
需要・競合・原価・提供スピードを総合的に検討したうえで決めることが、安定して提供できる体制につながります。
2.出店場所の選定と仕込み場所の確保
出店場所には、イベント会場、オフィス街、公園、商業施設の駐車場などがあります。
場所ごとに出店料、集客力、競合の状況が異なるため、複数の候補を持っておくと売上が安定しやすくなります。
出店条件や申込方法も出店先ごとに異なるので、早めに確認しておきましょう。
仕込み場所の確保も欠かせません。北海道の案内では、営業車で使う食品の調製、予備加工、包装などは、原則として営業許可を受けた施設(飲食店等)で行うよう示されています。
シェアキッチンや飲食店の厨房を借りる方法が考えられますが、自治体の運用は異なるため、保健所への確認が必要です。
3.車両の手配と保健所への申請
車両の製作や改造は、保健所の設備要件を満たすことが前提です。
製作会社には「どの自治体で、どんなメニューを販売するか」を伝え、要件に合った仕様で依頼するとトラブルを防げます。
保健所への申請は、車両の完成後に施設検査を受ける流れが一般的です。製作前に管轄の保健所へ相談して要件を確認しておくと、作り直しの費用や時間のロスを避けられます。
4.備品の準備と試験販売
開業前に、身内や知人向けに試験販売を行うと、提供スピードや動線の問題、メニューの改善点を本番前に洗い出せます。
本番と同じ条件で、仕込みから片付けまで通して試すのがポイントです。
SNSアカウントの開設と出店スケジュールの告知は、開業前から始めておきます。初日から一定の認知がある状態でスタートできるため、最初の売上の立ち上がりが変わってきます。
開業後に安定した売上をつくるためのポイント
開業したものの売れないという失敗を避けるには、出店先の確保、集客、リスク管理の3点が鍵になります。ここでは、それぞれの具体的な取り組みを紹介します。
出店場所の開拓と固定の出店先を確保する
単発のイベント出店だけでは、売上が安定しにくくなります。
週に数日は、オフィス街、マルシェ、商業施設の駐車場など、決まった場所で定期的に出店できるよう交渉するのが、収入の土台になります。
固定の出店先は、施設の管理者やオーナー、地域のイベント主催者への直接の相談から始まるケースが多いです。実績、清潔感、トラブルを起こさないことを積み重ねると、継続出店につながりやすくなります。
SNSと口コミによる集客
キッチンカーには店舗がないため、「今日どこにいるか」を発信し続けることが集客の基本です。
出店場所、時間、メニューをInstagramやXで定期的に発信すると、リピーターが来店しやすくなります。
料理の写真だけでなく、仕込みの様子や開業のきっかけといったストーリーも発信素材になります。独自のコンセプトと見た目の印象が、認知拡大を後押しします。
天候・繁閑に対応したリスク管理
雨天や猛暑、厳冬の日は売上が落ちやすいため、屋根のある出店場所、屋内イベントへの出店、季節限定メニューの導入などを組み合わせて備えます。
天気が悪い日に別の収入源を持つという考え方も有効です。仕込み代行、料理教室、イベントケータリングなど、副次的な収益を開業後に育てていく方法があります。
ただし、新たな事業を始める場合は、必要な許可を保健所に確認しましょう。
キッチンカーの電源確保について
調理機器、照明、決済端末などの電源をどう確保するかは、開業前に決めておきたい課題です。ここでは、電源の主な確保方法と、それぞれの特徴を紹介します。
電源確保の方法と選択肢
電源の確保方法は、「出店場所の電源を借りる」「発電機を使う」「ポータブル電源を使う」の3つが主流です。
出店先によって使える方法が異なるため、複数の手段を用意しておくと、営業できる場所の選択肢が広がります。
出店場所の電源を借りる場合は、利用の可否と料金を、出店条件で事前に確認します。発電機は出力が大きく、長時間使えるのが利点です。
一方で、騒音、排気ガス、燃料の管理といった手間があります。
出店先によっては使用に制限がある場合もあるため、出店要項で電源に関するルールを確認しておきましょう。
EcoFlow DELTA Pro 3+エクストラバッテリーでキッチンカーの電源課題を解決する
EcoFlow DELTA Pro 3は、4kWh(4,096Wh)の容量と定格3,600W(サージ7,200W)の出力を備えたポータブル電源です。
X-Boost機能を使うと、最大5,100Wの機器まで動かせます。出力は100V/200V(単相3線)に対応しているため、100Vの調理機器に加えて、200Vの機器を使うメニューにも対応しやすくなります。
専用のエクストラバッテリーを接続すると、容量は本体の4kWhから、1台追加で8kWh、2台追加で12kWhまで増やせます。工事は不要で、本体とケーブルで接続するだけです。
仕込みから片付けまでの長時間営業や、1日に複数の出店先を回る日に備えて、容量を足す使い方ができます。
まず本体1台で始めて、営業の規模が大きくなったときにエクストラバッテリーを買い足す選び方も可能です。
充電は、本体のみの場合、AC入力(100V 15A)で約3.2時間、AC入力(200V 15A)で約1.7時間でフル充電できます。
エクストラバッテリーを接続した場合は、容量が増える分、充電にかかる時間も変わります。営業前日の夜に充電しておけば、当日の朝から満充電の状態で出発できます。
⇒「EcoFlow DELTA Pro 3+エクストラバッテリー」仕込みから片付けまでの長時間営業や複数の出店先を回る日に備えられる大容量
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キッチンカー開業に関するよくある質問
ここでは、キッチンカー開業に関するよくある質問を紹介します。キッチンカー開業に調理師免許は必要ですか?
調理師免許は必須ではありません。営業許可を取るには、食品衛生責任者を置く必要があります。
調理師免許を持っている場合は、養成講習会を受けなくても食品衛生責任者になれます。
手続きの方法は自治体によって異なるため、資格証の提出方法を管轄の保健所に確認してください。
キッチンカーの開業資金はどう調達しますか?
日本政策金融公庫には、新たに事業を始める方や、事業開始後おおむね7年以内の方が利用できる「新規開業・スタートアップ支援資金」があります。
融資の条件や必要書類は変更される場合があるため、日本政策金融公庫の公式サイトか窓口で、最新の内容を確認してください。
お住まいの自治体が、創業に関する情報や支援制度を案内している場合もあります。開業前に、自治体のWebサイトや窓口で、利用できる制度がないか確認しておくと安心です。
複数の都道府県で営業する場合、許可はどうなりますか?
自動車で調理した食品を提供する事業者は、固定施設と同様、原則として管轄区域ごとに営業許可が必要とされています。
一方、令和元年12月27日付けの通知(生食発1227第2号)では、関係都道府県間で同水準の施設基準等が確保されている場合に、営業車の属する主たる固定施設の営業所等の所在地を管轄する都道府県知事等のみが営業許可を行う取扱いも差し支えないとされています。
実際の運用は、自治体によって異なります。営業エリアを広げる場合は、営業したい各自治体の保健所に確認してください。
まとめ
キッチンカー開業では、食品衛生責任者の資格、保健所の営業許可、車両の手続きという3つの準備が土台になります。
許可の運用や設備の基準は自治体によって異なるため、車両を製作する前に、管轄の保健所へ相談しておくのが確実です。
費用は仕様と地域で変わるため、見積もりと試算表で自分の数字を確認しておくと、資金計画を立てやすくなります。
開業後は、固定の出店先、SNSでの発信、天候への備えを組み合わせて、売上を安定させましょう。電源の確保も、出店できる場所の幅を左右する要素です。
電源面で備えるなら、4kWhの大容量に加えて、エクストラバッテリーで最大12kWhまで拡張できるEcoFlow DELTA Pro 3+エクストラバッテリーがおすすめです。
気になる方は、ぜひ商品ページをご覧ください。
⇒「EcoFlow DELTA Pro 3+エクストラバッテリー」仕込みから片付けまでの長時間営業や複数の出店先を回る日に備えられる大容量
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