発電と聞くと、火力発電や太陽光発電、風力発電など、大規模な設備を思い浮かべる方が多いでしょう。しかし、私たちの身の回りでは、食品廃棄物や人の歩行、体温、会話、無線通信の電波などを使った、おもしろい発電方法が発明されています。
そこで本記事では、日本や世界で実証や研究が進められているおもしろい発電方法を紹介します。海外で取り入れられている新しい種類の発電方法や、誰でも体験できる珍しい発電方法も掲載しているので、発電技術の理解を深めたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
【日本】身近なものを活用したおもしろい発電方法5選
日本では、廃棄される食品や人の動き、周辺に存在する熱、音、電波などを電気へ変える発電技術が研究されています。利用されずに捨てられていたエネルギーを回収する仕組みは、環境発電やエネルギーハーベスティングとも呼ばれます。
身近なものを活用した日本のおもしろい発電方法は、以下のとおりです。
- 食品廃棄物から電気をつくる「うどん発電」
- 人が歩行する際の振動で発電する「通勤ラッシュ発電」
- 人の体温を電気に変える「体温発電」
- 会話や環境音を電気に変える「音力発電」
- Wi-FiやBluetoothの電波を利用する「電波発電」
それぞれの発電方法について、詳しく見ていきましょう。
食品廃棄物から電気をつくる「うどん発電」
うどん発電とは、製麺工場などから出る廃棄うどんや食品残渣をメタン発酵させ、発生したバイオガスで発電する方法です(※1)。「うどんまるごと循環プロジェクト」では、回収した食品廃棄物を細かく破砕し、水分を調整してから密閉した発酵槽へ投入します。
槽内では微生物の働きによってメタンを含むガスが生まれ、脱硫後にコージェネレーション設備へ送られます。ガスを燃料として電気と温水をつくるため、廃棄物の処理とエネルギー生産を同時に行える仕組みです。
※1参考:四国ESDバーチャル大学「うどんまるごと循環プロジェクト」
人が歩行する際の振動で発電する「通勤ラッシュ発電」
通勤ラッシュ発電は、大勢の人が床を踏む際に生じる圧力や振動を電気へ変える発電方法です。JR東日本が東京駅で行った「床発電システム」では、床内部に圧電素子を組み込み、利用客が歩いたときに加わる力で素子を変形させ、電圧を発生させます(※2)。
駅は毎日多くの人が行き交うため、普段は床へ伝わって消えていた歩行エネルギーを継続的に集められる場所として選ばれました。
※2参考:JR東日本研究開発センター「「床発電システム」の実証実験について」
人の体温を電気に変える「体温発電」
体温発電は、人の皮膚と周囲の空気に生じる温度差を利用して電気を作る方法です。熱電材料の両端に温度差を与えると電圧が発生する「ゼーベック効果」を利用します。
東京工業大学の研究グループは2020年、体温を熱源とするマイクロ熱電発電モジュールを提案し、ウェアラブル機器の電源へ応用できる性能を示しました(※3)。
※3参考:東京工業大学「体温を用いた新たなマイクロ熱電発電モジュール技術の開発」
会話や環境音を電気に変える「音力発電」
音力発電は、人の話し声や音楽、機械音、交通騒音などによって空気が振動するエネルギーを電気へ変える方法です。音が発電素子へ届くと、空気の細かな振動によって圧電材料が繰り返し変形し、電力を生み出します。
東京大学の研究グループは2023年、圧電材料を含む3層のナノファイバーシートで構成された、厚さ50μmの超薄型音力発電素子を開発しました(※4)。115dBの音源を用いた測定では、薄型音力発電素子として世界最高となる8.2W/㎡の電力密度を記録しています。
※4参考:東京大学「世界最高電力密度の超薄型音力発電素子の開発に成功」
Wi-FiやBluetoothの電波を利用する「電波発電」
電波発電は、Wi-FiやBluetoothなどの無線通信に使われる高周波電波を受け取り、直流電力へ変換する発電方法です。私たちの周囲には、ルーター、スマートフォン、パソコン、各種IoT機器が送受信する電波が飛び交っています。
東北大学とシンガポール国立大学などの研究グループは2024年、スピントロニクスの原理を利用したナノスケールの「スピン整流器」を開発しました(※5)。10個の整流器を直列につなぎ、微弱な電波から発電して、市販の温度センサーを動かすことに成功しています。
※5参考:東北大学「微弱な無線通信用電波からの環境発電をスピントロニクスで実現」
【世界・次世代】珍しい・新しい発電方法の種類6選

世界では、普段は大気中へ放出される牛のメタンや人間の汗、ダンスによる床の動きなど、身近な現象をエネルギー源に変える発電技術が研究されています。さらに、高高度の風、宇宙の太陽光、海洋の温度差を利用する大規模な技術も登場しました。
世界で発明された珍しい・新しい発電方法の種類は、以下のとおりです。
- 牛のげっぷを燃料に変える「バイオガス発電」
- 汗をかく仕組みを活用する「汗発電」
- 踊るほど電気が生まれる「ダンス発電」
- 空中に風車を浮かべる「空中浮体式風力発電」
- 宇宙で電気をつくり地上へ送る「宇宙太陽光発電」
- 海水中の温度差を利用する「海洋温度差発電」
それぞれの種類について、詳しく見ていきましょう。
牛のげっぷを燃料に変える「バイオガス発電」
牛のげっぷを利用する発電方法は、牛の胃で行われる消化の過程で発生したメタンを回収し、燃料として活用する仕組みです。牛の第一胃では、微生物が飼料を分解する際にメタンが発生し、主にげっぷや呼気として体外へ排出されます。
アルゼンチン国立農牧技術院の研究では、牛の第一胃につながるカニューレと背中の袋を組み合わせ、胃の中で発生したガスを直接回収する実験が行われました(※6)。集めたガスから二酸化炭素などを除き、メタン濃度を高めれば、燃料として活用できます。
※6参考:NARO「Technical manual for estimating enteric methane emissions」
汗をかく仕組みを活用する「汗発電」
汗発電とは、人の汗に含まれる成分を利用して電気を生み出す発電方法です。カリフォルニア大学サンディエゴ校の研究チームは、指先に絆創膏のように巻き付けられる薄く柔軟な発電デバイスを開発しました(※7)。
デバイスに搭載されたカーボンフォーム電極が汗を吸収し、電極上の酵素が汗に含まれる乳酸と酸素の化学反応を促すことで電気を生み出します。
※7参考:UC San Diego「Calling All Couch Potatoes」
踊るほど電気が生まれる「ダンス発電」
ダンス発電は、人が踊るときに床へ加わる力や、床板の上下運動を電気に変える発電方法です。発電床の内部には小型発電機や機械的な変換機構が組み込まれており、ダンサーがタイルを踏むたびに床がわずかに動きます。
オランダのEnergy Floorsが提供するKinetic Dancefloorは、8枚のスマートタイルで構成され、最大160Wピークの出力を生み出せるとしています(※8)。
※8参考:Energy Floors「The moves of the public as a source of energy」
空中に風車を浮かべる「空中浮体式風力発電」
空中浮体式風力発電は、ヘリウムを入れた飛行船状の構造体や、凧、翼型ドローンなどをケーブルで地上につなぎ、高高度の風から電気をつくる技術です。
MIT出身者が設立したAltaeros Energiesは、風車を中央に組み込んだヘリウム式の「Buoyant Airborne Turbine」を開発しました(※9)。地上約1,000〜2,000フィートまで浮上し、発電した電気を係留ケーブル内の導線を通して地上へ送る構想です。
※9参考:MIT News「High-flying turbine produces more power」
宇宙で電気をつくり地上へ送る「宇宙太陽光発電」
宇宙太陽光発電は、宇宙空間に設置した大型太陽電池で発電し、電力をマイクロ波やレーザーへ変換して地上へ送る仕組みです。マイクロ波方式では、宇宙側の送電アンテナから地上の受電アンテナ「レクテナ」へエネルギーを送り、地上で再び電気へ変換します。
米国のカリフォルニア工科大学は2023年、軌道上の実証機MAPLEを用いて宇宙空間で無線送電を行い、地球へ向けた微弱な電力ビームを地上で検出しました(※10)。
※10参考:caltech「In a First, Caltech's Space Solar Power Demonstrator Wirelessly Transmits Power in Space」
海水中の温度差を利用する「海洋温度差発電」
海洋温度差発電は、太陽で温められた海の表層水と、海底付近からくみ上げる冷たい深層水の温度差を利用して発電する方法です。マレーシアは、革新的な海洋温度差発電(H-OTEC)の実証を行い、経済効果およびモデル構築を検討しました(※11)。
※11参考:科学技術振興機構「マレーシアにおける革新的な海洋温度差発電の開発」
身近に体験できる!面白い発電方法・アイデア3選
発電の仕組みは、大規模な発電所や高価な設備を用意しなくても、身近な道具を使って体験できます。小型ソーラーパネルを使えば、太陽光による発電だけでなく、蓄電池に電気をためて必要な機器へ給電する流れも確認できるでしょう。
身近に体験できる面白い発電方法は、以下のとおりです。
1.ハンドスピナーと小型モーターで発電を試す
ハンドスピナーと小型モーターを組み合わせれば、回転運動から電気が生まれる仕組みを手軽に試せます。まずは、ハンドスピナー、小型のブラシ付きDCモーター、LEDまたはテスター、リード線、輪ゴムやゴムチューブなどを用意しましょう。
モーターを動かないように固定し、ハンドスピナーの外周とモーター軸へ輪ゴムをかけるか、軸に付けたゴム製ローラーを外周へ軽く当てます。ハンドスピナーを回すとモーター軸も回転し、端子につないだテスターで電圧を確認できるでしょう。
2.手回し発電機で電気が生まれる仕組みを学ぶ
手回し発電機は、ハンドルを回す力が電気へ変わる過程を直接体験できる教材です。内部には磁石とコイルが組み込まれており、ハンドルを回すと磁石またはコイルが回転します。
磁界がコイルに対して変化すると電流が生じる「電磁誘導」を利用しているため、発電所で使われる発電機の基本原理も同時に学べるのが特徴です。
3.小型ソーラーパネルで発電・蓄電・給電を体験する
小型ソーラーパネルを使うと、太陽光を電気へ変え、蓄電池へためてから機器に給電する一連の流れを体験できます。太陽電池は、性質の異なる半導体を組み合わせたセルで光を受け、光起電力効果によって直流電力を生み出す装置です。
モーターを回す実験とは異なり、可動部分がなく、パネルへ光が当たるだけで発電が始まります。パネルの角度を変える、手や紙で一部を覆う、日なたと日陰を移動するといった方法で、表示される電圧や電流を比較してみてください。
気軽に太陽光発電を導入!おすすめの製品
太陽光発電に興味があっても、屋根へのパネル設置や大がかりな工事を考えると、導入をためらう方も多いのではないでしょうか。折りたたみ式ソーラーパネルとポータブル電源を組み合わせれば、庭やベランダ、キャンプ場などで気軽に太陽光から電気を作れます。
気軽に太陽光発電を始めたい方におすすめの製品は、以下のとおりです。
- EcoFlow 220W軽量両面ソーラーパネル
- DELTA 3 2000 Air+220W軽量両面ソーラーパネル
それぞれの製品について、詳しく見ていきましょう。
220W軽量両面ソーラーパネル
220W出力のソーラーパネル。パワフルな出力を持ちながら、約5.1kgの軽量設計なので、屋外への持ち運びに便利です。普段はボタン一つでコンパクトに折りたたんで収納できます。
別売りケーブルを使って2枚を直列接続すれば、簡単にパワーアップも可能。差し間違えが起こらないシンプルな設計により、10秒足らずで増設できます。変換効率は、業界トップクラスとなる25%以上。30°〜60°の角度調整ができるスタンドも搭載しています。
→集光量が最大約10%アップ「EcoFlow 220W軽量両面ソーラーパネル」
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DELTA 3 2000 Air+220W軽量両面ソーラーパネル
定格出力1,000W、容量1,920Whのポータブル電源「DELTA 3 2000 Air」と、220W軽量両面ソーラーパネルのセットです。ポータブル電源は2,000Whクラスで世界最小・最軽量を実現し、高い携帯性と大容量を兼ね備えています。
テントや車内の限られたスペースにフィットするので、利便性は抜群。X-Boost機能により、最大1,500Wの家電に対応します。わずか6個の超大容量セルで構成されているため、電力ロスと故障リスクの低減を実現しているのも特徴です。
出発前にコンセントからわずか2.3時間、現地でも220Wソーラーパネル2枚で半日もかからず満充電できます。スマホアプリと連携すれば、離れた場所からでも操作が可能です。
→業界標準を3倍も上回る6,000V雷サージ耐性「DELTA 3 2000 Air」
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おもしろい発電方法に関するよくある質問

最後に、おもしろい発電方法に関するよくある質問を紹介します。
- 環境にやさしくて面白い発電方法は何ですか?
- 日本に適した新しい発電方法は何ですか?
- 珍しい発電方法で家庭の電力をまかなえますか?
それぞれの回答について、詳しく見ていきましょう。
環境にやさしくて面白い発電方法は何ですか?
環境にやさしくて面白い発電方法は、以下のとおりです。
| 発電方法 | 特徴 |
|---|---|
| 海洋温度差発電 | 燃料を燃やさずに発電できるうえ、くみ上げた海洋深層水を養殖や農業、冷房などへ活用できる |
| バイオガス発電 | 廃棄物の処理とエネルギー生産を同時に行えるため、地域内で資源を循環させる仕組みとして活用できる |
| 床発電・音力発電 | 人の歩行や会話など、従来は使われずに失われていた小さなエネルギーを回収できる |
環境にやさしいかどうかは、設備の製造や輸送、土地・海域への影響、原料の調達、廃棄まで含めたライフサイクル全体で評価しましょう。
日本に適した新しい発電方法は何ですか?
日本に適した新しい発電方法として、浮体式洋上風力発電が挙げられます(※12)。欧州には遠浅の海が広がっていますが、日本周辺は岸から離れると水深が急に深くなる海域が多く、海底へ基礎を固定する着床式を設置できる場所が限られます。
海上に浮かべた構造物へ風車を載せる浮体式であれば、深い海域にも導入可能です。台風、落雷、波浪、建設費、保守、漁業との共生などの課題があるため、日本の地域条件に合わせた実証と制度整備が欠かせません。
※12参考:経済産業省「再生可能エネルギーの長期電源化に向けた取組」
珍しい発電方法で家庭の電力をまかなえますか?
珍しい発電方法だけで家庭の電力をまかなうのは、現時点では難しい場合がほとんどです。環境省の調査では、1世帯が1年間に全国平均で3,911kWhの電力を消費します(※13)。
これに対して、床発電や音力発電、汗発電などは、主にLEDやセンサー、ウェアラブル機器といった消費電力が小さい装置への給電を想定しています。家庭で電力の自給率を高める現実的な方法は、太陽光発電と蓄電池を組み合わせる方法です。
※13参考:環境省「家庭部門のCO2排出実態統計調査」
まとめ

本記事では、日本や世界のおもしろい発電方法について解説してきました。
食品廃棄物、人の歩行、体温、汗、音、電波など、普段は利用されずに失われているエネルギーも、専用の装置を使えば電気へ変換できます。一方で、おもしろい発電方法は、全てが家庭や社会へ大量の電力を供給できるわけではありません。
実際の暮らしで電力の自給率を高めるには、太陽光発電と蓄電池を組み合わせ、家庭の消費電力量や設置環境に合った設備を選びましょう。
EcoFlowは、幅広い用途で使えるポータブル電源とソーラーパネルのセットを販売しています。気軽に太陽光発電を導入したい方は、ぜひ製品の購入を検討してください。
→最大500Wのソーラー充電「DELTA 3 Classic + 220W軽量両面ソーラーパネル」
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