太陽光発電を設置しているのに、停電時に電気が使えなかったという声は少なくありません。実は、太陽光発電は停電を検知すると、安全のために自動で止まります。災害時に電気を使うには、正しい切り替え方を知っておく必要があるのです。
そこで本記事では、太陽光発電を停電時に使う方法や、使えないケースについて解説します。自立運転で使える家電や、蓄電池の必要性、併用に役立つアイテムも紹介しているので、災害時の電気に備えたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
太陽光発電は停電時に使える?
住宅用の太陽光発電は、停電時でも「自立運転」に切り替えれば電気を使えます。ただし、切り替えないままでは、晴れていてもコンセントに電気は届きません。自立運転の仕組みと、電気を取り出す専用コンセントを把握しておくと安心です。
- 自立運転に切り替えれば停電時も電気を使える
- 自立運転とは|パワーコンディショナの非常用機能
- 自立運転用コンセント(非常用コンセント)の場所
自立運転の基本について、ひとつずつ順番に詳しく見ていきましょう。
自立運転に切り替えれば停電時も電気を使える
資源エネルギー庁によると、停電時でも自立運転機能を活用すれば電気を使えます(※1)。操作方法は機種で異なるため、取扱説明書で確認しておきましょう。
自立運転中に電気を使えるのは、太陽光が当たって発電している昼間だけです。夜間や雨の日は発電しないため、電気を利用できない点に注意してください。
※1参考:資源エネルギー庁「停電時の住宅用太陽光発電パネルの自立運転機能について」
自立運転とは|パワーコンディショナの非常用機能
自立運転とは、送電網から切り離した状態でパワーコンディショナを動かす非常用の運転です。パワーコンディショナは、直流の電気を交流に変える装置を指します。
普段は送電網とつながった「連系運転」で動き、停電を検知すると止まる仕組みです。自立運転に切り替えると、発電した電気が専用のコンセントだけに送られます。
自立運転用コンセント(非常用コンセント)の場所
自立運転用コンセントの場所は、パワーコンディショナの設置場所で異なります(※2)。屋内型は本体の側面、屋外型は部屋の中や廊下の足もとなどに設けられています。
「非常用コンセント」のラベルが貼られていたり、黒や赤など色の違うコンセントだったりする場合もあります。設置場所が分からない場合は、販売店や工事店に確認してください。
太陽光発電が停電時・災害時に使えない4つのケース

太陽光発電を設置していても、停電時や災害時に電気を使えない場面はあります。原因の多くは操作や天候によるもので、事前に知っていれば慌てずに対処できるでしょう。停電時に太陽光発電が使えない主なケースは、以下のとおりです。
- ケース1|自立運転に切り替えていない
- ケース2|夜間や雨・雪の日で発電できない
- ケース3|パワーコンディショナが自立運転に対応していない
- ケース4|災害でパネルや配線が破損している
それぞれのケースの原因と対処法について、詳しく解説していきます。
ケース1|自立運転に切り替えていない
停電時に電気が使えない原因として多いのが、自立運転に切り替えていないケースです。停電で止まったパワーコンディショナは、手動で切り替えるまで動きません。
2019年の台風15号で自立運転を使わなかった人の6割は、使い方が分からなかったと答えています(※3)。停電が起きる前に、自立運転への切り替え方法を確かめましょう。
※3参考:資源エネルギー庁「太陽光発電設備の自立運転機能の周知について」
ケース2|夜間や雨・雪の日で発電できない
太陽光発電は日射で発電するため、夜間は自立運転に切り替えても電気を使えません。曇りでは晴天時の1/3〜1/10、雨天では1/5〜1/20まで発電量が落ちます(※4)。雪がパネルを覆う場合も、光が届かないため発電は見込めません。
自立運転は日の入りとともに止まり、翌朝になっても自動では再開しない機種があります。その場合は、朝になってから改めて手動で自立運転を始めてください。
ケース3|パワーコンディショナが自立運転に対応していない
住宅用の太陽光発電の多くは自立運転機能を備えていますが、すべての機器が対応しているとは限りません。専用コンセントがなければ、電気を取り出せない場合もあります。
自宅の機器が対応しているかは、取扱説明書や設置業者で確かめられます。コンセントが未設置なら、販売店に相談して増設を検討するとよいでしょう。
ケース4|災害でパネルや配線が破損している
地震や台風、浸水でパネルや配線が壊れると、太陽光発電は使えなくなります。破損したパネルは光が当たると発電する場合があり、触ると感電する恐れがあり危険です(※5)。
浸水後は水が引いても、パワーコンディショナの内部に水分が残っている場合があります。自分で触らずに、販売施工業者へ連絡して対応を依頼してください。
※5参考:経済産業省「破損・浸水した太陽電池発電設備による感電事故防止について」
停電時に太陽光発電を自立運転へ切り替える手順

自立運転への切り替えは、ブレーカーとパワーコンディショナを順に操作するだけで、特別な工具は要りません。ボタンの位置や表示は機種で違うため、取扱説明書も確認しましょう。資源エネルギー庁が示す基本の切り替え手順は、以下のとおりです。
- 手順1|主電源ブレーカーと太陽光発電用ブレーカーを切る
- 手順2|パワーコンディショナを自立運転モードにする
- 手順3|自立運転用コンセントに家電をつなぐ
- 手順4|停電が復旧したら連系運転に戻す
停電時に慌てないよう、各手順のポイントを詳しく見ていきましょう。
手順1|主電源ブレーカーと太陽光発電用ブレーカーを切る
停電に気付いたら、分電盤の主電源ブレーカーと太陽光発電用ブレーカーを順にオフにします。主電源を切るのは、電力会社の送電網と家の配線を切り離すためです。
太陽光発電用ブレーカーは、分電盤の中や近くに別に設けられている場合があります。どれが該当するか、平常時にラベルを見て確かめておくと安心です。
手順2|パワーコンディショナを自立運転モードにする
ブレーカーを切ったら、パワーコンディショナやリモコンで自立運転モードに切り替えます。切り替えは発電している日中しかできないため、日照がある時間に操作しましょう。
モニターの画面で自立運転を選ぶ機種や、本体のスイッチで切り替える機種があります。自立運転中は、運転音が普段より大きくなる場合もあるでしょう。
手順3|自立運転用コンセントに家電をつなぐ
自立運転モードになったら、自立運転用コンセントに使いたい家電をつなぎます。ほかのコンセントには電気が届かないため、延長コードで引き込むと便利です。
人命に関わる医療機器や、灯油・ガスを使う暖房機器はつながないでください。途中で電源が切れると困る機器も、発電の変動で止まるおそれがあります。
手順4|停電が復旧したら連系運転に戻す
停電が復旧したら自立運転モードを解除し、太陽光発電用、主電源の順にブレーカーをオンにします。この操作によって、電力会社とつながった普段の連系運転に戻ります。
連系運転に戻し忘れると、太陽光発電で余った電気を売電できません。停電の復旧を確認したら、なるべく早めに元の状態へ戻す操作を行ってください。
停電時に太陽光発電で使える家電

自立運転用コンセントで使える電気には上限があるため、つなぐ家電を選ぶ必要があります。消費電力の小さい家電は使いやすい一方、熱を出す家電は動かない場合も少なくありません。停電時に自立運転で使える主な家電の目安は、以下のとおりです。
- 自立運転で使えるのは最大1,500Wまで
- 冷蔵庫・スマホ・照明は使える
- 電子レンジやドライヤーは使えない場合がある
- エアコンは消費電力と発電量次第
家電ごとの使いやすさと注意点を、ひとつずつ詳しく解説します。
自立運転で使えるのは最大1,500Wまで
一般的なパワーコンディショナで使える電力は、最大1,500W(100V・15A)までです(※6)。つないだ家電の合計がこの上限を超えると、自立運転ができません。
さらに、実際に使える電力は、そのときの発電量の範囲に限られます。主な家電の消費電力の目安と、自立運転での使いやすさは以下のとおりです(※7)。
| 家電 | 消費電力の目安 | 自立運転での使用 |
|---|---|---|
| 冷蔵庫(450L) | 約250W | 使える |
| エアコン(10畳・冷房) | 約580W | 発電量次第 |
| ヘアドライヤー | 約1,200W | 使えない場合も |
| 電子レンジ(30L) | 約1,500W | 使えない場合も |
※7参考:東京電力エナジーパートナー「主な電気機器のアンペアの目安」
冷蔵庫・スマホ・照明は使える
冷蔵庫やスマートフォンの充電、照明は消費電力が比較的小さく、自立運転でも使いやすい家電です。なかでも冷蔵庫は、食品を守るために優先してつなぎたい家電といえます。
ただし、モーターで動く冷蔵庫は、機種によって停電時に使えない場合もあるでしょう。発電量が落ちると止まるため、曇ってきたら動作を確認してください。
電子レンジやドライヤーは使えない場合がある
電子レンジやヘアドライヤーは消費電力が1,000Wを超える機種が多く、動かない場合があります。発電量が足りないと、途中で止まってしまう点にも注意しましょう。
一部のドライヤーは電流の波形が特殊で、停電時には使えない機種もあります。使うなら晴れた日中に、ほかの家電を外して1台ずつ動かしましょう。
エアコンは消費電力と発電量次第
エアコンは、運転中の消費電力なら自立運転の範囲に収まる場合もあるでしょう。ただし、10畳用の冷房は立ち上がり時に約1,400Wを使うため、動かない場合もあります。
台風15号の停電では、自立運転でエアコンや冷蔵庫を使えて助かったという声もありました。晴れた日中であれば、エアコンを動かせる可能性は十分にあります。
災害時における太陽光発電のデメリットと蓄電池の必要性

太陽光発電は、災害で停電した際にも自宅で電気をつくれる心強い設備です。一方で、夜間や悪天候の日は発電できず、電気を使える時間が限られるという弱点もあります。災害時のデメリットと、それを補う蓄電池の役割は以下のとおりです。
- 災害時のデメリット|発電量が天候に左右される
- 蓄電池があれば夜間や雨の日も電気を使える
- 特定負荷型と全負荷型の違い
蓄電池の必要性について、それぞれの観点から詳しく見ていきましょう。
災害時のデメリット|発電量が天候に左右される
太陽光発電だけに頼ると、停電中に使える電気は天候と時間帯に左右されます。台風や大雪で停電すると、天候が回復するまで十分な電気を得られない日も続くでしょう。
さらに、発電した電気を蓄えておけないため、照明が欲しい夜間には使えません。日が沈んだあとは、明かりのない状態で過ごさなければならない点も課題です。
蓄電池があれば夜間や雨の日も電気を使える
蓄電池を併設すれば、日中に発電した電気を蓄え、夜間や雨の日にも使えます。台風15号の停電でも、蓄電量によっては夜間に電気を使えた家庭がありました。
蓄電池を併設した太陽光発電は、停電すると自動で自立運転に切り替わる仕様がほとんどです。ブレーカーを操作する必要がないため、夜間の停電でも慌てずに済むでしょう。
特定負荷型と全負荷型の違い
家庭用蓄電池は、停電時に電気を送る範囲によって、特定負荷型と全負荷型に分けられます(※8)。使える家電の範囲で比べると、それぞれの特徴は以下のとおりです。
- 特定負荷型:冷蔵庫や照明、Wi-Fiルーターなど、あらかじめ指定した家電だけを使える
- 全負荷型:家全体に電気を送り、エアコンやIHクッキングヒーターなどの200V家電も使える
特定負荷型は電気を長く使いたい家庭、全負荷型は普段どおりに過ごしたい家庭に向いています。停電時に使いたい家電を書き出して選ぶと、失敗しにくいでしょう。
※8参考:オムロン「蓄電池の選び方ガイド」
太陽光発電と併用!停電時に役立つポータブル電源
家庭用蓄電池の導入には工事が必要なため、すぐには用意できません。ポータブル電源とは、内部に大量の電気を蓄電し、コンセントがない場所でも電化製品に給電できる機器です。太陽光発電の電気を蓄えておけば、夜間の停電にも備えられます。
太陽光発電と併用する際に役立つ、ポータブル電源の選び方を詳しく紹介します。
停電対策に必要な性能|おすすめの製品
停電対策では、自立運転用コンセントからも充電でき、ソーラー入力に対応した製品が向いています。夜間の家電をまかなう容量と、自立運転の1,500Wを補う定格出力も必要です。電源を自動で切り替える機能を備えていれば、より心強いでしょう。
EcoFlowは、停電対策に適したソーラーパネル付きのセットを販売しています。
- DELTA 3 Plus + 220W軽量両面ソーラーパネル
- DELTA Pro 3 + 400W軽量両面ソーラーパネル
それぞれのセットについて、停電時に効く性能を詳しく解説します。
DELTA 3 Plus + 220W軽量両面ソーラーパネル
容量1,024Wh、定格出力1,500Wのポータブル電源に、220Wの軽量両面ソーラーパネルを組み合わせたセット。X-Boost機能を使えば最大2,000Wまでの家電に対応し、自立運転の1,500Wでは足りない場面も補えます。
停電が長引くと、自立運転だけでは夜間の電気をまかなえません。220Wのパネルがあれば日中に蓄電でき、両面受光と25%以上の変換効率で、曇りの日も発電を続けられます。家庭のコンセントからフル充電にかかる時間は、最短56分です。
→停電の検知から10ms未満で切り替え「DELTA 3 Plus + 220W軽量両面ソーラーパネル」
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DELTA Pro 3 + 400W軽量両面ソーラーパネル
容量4,096Wh、定格出力3,600Wのポータブル電源に、400Wの軽量両面ソーラーパネルを合わせたセット。X-Boostを使えば最大5,100Wまで出力を引き上げ、単相3線式によって100Vと200Vの家電を動かせます。一時的な高出力(サージ)は7,200Wまで対応可能。
数日にわたる停電では、日中に発電した電気を蓄えられるかが暮らしを分けます。400Wのパネルは25%以上の変換効率と両面受光により、厚い雲の下でも発電を継続。ソーラー充電は最大2,600Wまで受け入れ、日中に一気に蓄えられます。
→エクストラバッテリーで12kWhに拡張「DELTA Pro 3 + 400W軽量両面ソーラーパネル」
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太陽光発電の停電時に関するよくある質問

停電と太陽光発電については、自動で切り替わるのか、停電の原因になるのかと疑問を持つ方もいます。事前に解消しておけば、いざというときに落ち着いて対応できるでしょう。最後に、太陽光発電の停電時に関するよくある質問を紹介します。
- 太陽光発電は停電時に自動で切り替わる?
- 太陽光発電が停電の原因になることはある?
それぞれの質問について、回答をひとつずつ詳しく見ていきましょう。
太陽光発電は停電時に自動で切り替わる?
太陽光発電だけのシステムは、停電しても自動では自立運転に切り替わらない機種が一般的です。停電を検知すると、パワーコンディショナは止まったまま待機します。
一方、蓄電池を併設したシステムは、自動で切り替わる仕様がほとんどです。自動切り替えの設定が必要な機種もあるため、事前に確かめておきましょう。
太陽光発電が停電の原因になることはある?
住宅用の太陽光発電が停電の原因になるケースは、通常ほとんどありません。パワーコンディショナは停電を検知すると送電網への送電を止め、作業員の感電を防ぐ仕組みです。
停電の主な原因は、樹木や鳥獣の電線への接触、強風や雨、雷、雪による設備の損傷です(※9)。停電は、太陽光発電の有無にかかわらず、どの家庭でも起こり得るものです。
※9参考:関西電力送配電「停電の原因」
まとめ

本記事では、太陽光発電を停電時に使う方法や、使えないケースを解説してきました。
住宅用の太陽光発電は、停電時に自立運転へ切り替えると専用コンセントから電気を使えます。切り替えはブレーカーを切ってから行い、復旧後は連系運転に戻しましょう。災害で壊れたパネルには近づかず、施工業者に連絡してください。
自立運転で使えるのは最大1,500Wまでで、夜や雨の日は発電できません。夜間も電気を確保したいなら、蓄電池やポータブル電源を組み合わせると安心です。
EcoFlowは、太陽光発電の電気を蓄えて夜間の停電に備えられるポータブル電源を販売しています。災害時の電気を確保したい方は、ぜひ製品の購入を検討してください。
→最大5kWhまで容量を拡張「DELTA 3 Plus + 220W軽量両面ソーラーパネル」
→充放電後も初期容量の80%を維持「DELTA Pro 3 + 400W軽量両面ソーラーパネル」
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