台風、地震、落雷などによる停電では、照明・Wi-Fi・冷蔵庫・スマートフォンなど、家庭内で優先的に電力を確保したい機器があります。
目安を先に示すと、1人暮らしで照明・スマートフォン・Wi-Fi・ノートパソコンなどを1日使う場合は約1,200~1,800Wh、3人家族が照明・通信・冷蔵庫などを使う場合は約2,600~4,000Whが出発点になります。ただし、冷蔵庫・暖冷房・調理家電の使用時間や同時使用によって必要量は変わるため、次の計算方法で家庭の条件に合わせて見積もりましょう。
必要な容量は、「家族の人数」だけで決まるものではありません。実際には、使う家電、その使用時間、停電が何時間続く想定かを合わせて考える必要があります。
この記事では、ポータブル電源を含む家庭用バックアップ電源の考え方と、必要な容量(Wh)の計算方法を解説します。
家庭用バックアップ電源とは?
停電時に家庭内の必要な機器へ電力を供給するための電源です。主な選択肢には、ポータブル電源、定置型蓄電池、燃料式発電機があります。
家庭の停電対策以外にも、利用シーンに応じて車 中泊 バッテリーやキャンプ ポータブル電源を検討する場合は、それぞれの用途に合う容量や充電方法も確認してください。
| 種類 | 特徴 | 向いている家庭・用途 |
|---|---|---|
| ポータブル電源 | 必要な場所へ持ち運べ、コンセントやUSB機器に給電しやすい | 短時間~1日程度の停電対策、照明・通信・冷蔵庫などの優先機器 |
| 定置型蓄電池 | 家屋に設置し、家庭全体のバックアップを想定できる | 長期的に大きな電力を確保したい家庭 |
| 燃料式発電機 | 燃料があれば発電を継続できる | 屋外での非常用電源、長時間の電力確保 |
燃料式発電機は屋内で使用しない
燃料式発電機は、排気ガスによる一酸化炭素中毒の危険があります。屋内、ガレージ、換気が不十分な場所では使用せず、使用条件や安全上の注意を必ず確認してください。
停電時に優先して電力を確保したい機器
すべての家電を同時に使おうとすると、必要容量は大きくなります。まずは「生活維持に必要な機器」を優先して考えることが大切です。
| 優先度 | 主な機器 | 目的 |
|---|---|---|
| 最優先 | 冷蔵庫、医療機器、照明 | 食品の保冷、安全確保、必要な医療サポート |
| 高 | Wi-Fiルーター、スマートフォン、パソコン | 家族との連絡、災害情報の確認、在宅勤務 |
| 状況に応じて | 扇風機、電気毛布、小型調理家電 | 季節に応じた体温調節、最低限の生活維持 |
| 後回し | 電子レンジ、ドライヤー、エアコンなど | 消費電力が大きく、必要容量が急増しやすい |
| 注意点 |
|---|
| 医療機器を使用している場合は、必要電力・稼働時間・非常時の対応について、機器メーカーや医療機関の案内を確認してください。 |
家庭に必要な電源容量(Wh)の計算方法
W(ワット)は家電がその瞬間に必要とする電力、Wh(ワット時)はその電力をどれだけの時間使ったかを含めた電力量です。たとえば100Wの家電を3時間使うと、100W×3時間=300Whになります。
必要な電力量は、基本的に以下の式で計算できます。
| 計算式 |
|---|
| 消費電力(W)× 使用時間(h)= 必要電力量(Wh) |
ただし、この計算結果は家電側で必要となる電力量の目安です。実際にポータブル電源を選ぶ際は、変換ロス、冷蔵庫などの起動時の電力変動、使用状況のばらつきを考慮し、計算結果に20~30%程度の余裕を見込むと安心です。
まずは家電ごとの消費電力を確認する
以下は、停電時に使うことの多い機器を想定した一例です。
| 機器 | 消費電力の目安 | 使用時間 | 必要電力量 |
|---|---|---|---|
| LED照明 | 10W | 5時間 | 50Wh |
| Wi-Fiルーター | 10W | 10時間 | 100Wh |
| ノートパソコン | 60W | 4時間 | 240Wh |
| 扇風機 | 30W | 5時間 | 150Wh |
| 合計 | 540Wh |
このケースでは、必要電力量は約540Whです。余裕を20~30%加えると、必要な容量の目安は約650~700Whとなります。
人数・停電時間別:必要容量の目安
家族の人数が増えると、照明、スマートフォン、通信機器、温度対策機器などの使用量も増えやすくなります。下表は、優先機器のみを使用する場合の概算です。
| 世帯人数 | 想定する主な機器 | 6時間の目安 | 12時間の目安 | 24時間の目安 |
|---|---|---|---|---|
| 1人 | 照明、スマートフォン、Wi-Fi、ノートPC | 300~500Wh | 600~900Wh | 1,200~1,800Wh |
| 2人 | 照明、スマートフォン、Wi-Fi、ノートPC、扇風機など | 500~800Wh | 1,000~1,500Wh | 2,000~3,000Wh |
| 4人 | 照明、複数台のスマートフォン、Wi-Fi、冷蔵庫、扇風機など | 800~1,300Wh | 1,600~2,500Wh | 3,200~5,000Wh以上 |
| 確認事項 |
|---|
| 上記は目安です。冷蔵庫の容量・使用年数、室温、扉の開閉回数、使用する家電の種類によって必要電力量は変動します。 |
2人世帯・12時間停電の計算例
| 機器 | 消費電力の目安 | 使用時間 | 必要電力量 |
|---|---|---|---|
| LED照明2台 | 20W | 6時間 | 120Wh |
| Wi-Fiルーター | 10W | 12時間 | 120Wh |
| スマートフォン2台の充電 | - | 2回程度 | 60Wh |
| ノートパソコン | 60W | 4時間 | 240Wh |
| 扇風機 | 30W | 4時間 | 120Wh |
| 合計 | 660Wh |
この場合、20~30%の余裕を加えると、約800~900Whを目安に検討できます。
冷蔵庫を使う場合に注意したいこと
冷蔵庫は停電時に優先度の高い家電ですが、消費電力の見方には注意が必要です。
冷蔵庫は常に同じ電力で動き続けるのではなく、庫内温度に応じてコンプレッサーが間欠的に動作します。そのため、銘板に記載された消費電力だけで24時間分を単純計算すると、実際の消費電力量と差が出ることがあります。
冷蔵庫の1日分の消費電力量は、「測定した電力量(Wh)÷測定時間(h)×24時間」で概算できます。たとえば8時間で320Whを消費した場合、320Wh÷8時間×24時間=960Whです。ポータブル電源側では変換ロスを見込み、960Wh÷0.8≒1,200Whを容量の目安にします。測定はできれば普段どおりの扉の開閉と室温で行い、季節差も考慮してください。
| 冷蔵庫の稼働時間に影響する主な要因 |
|---|
| 冷蔵庫の容量・年式、室温、食品の量、扉の開閉回数、冷凍室の使用状況、起動時の電力変動 |
停電中は扉の開閉をできるだけ減らし、冷気を逃がさないことも重要です。冷蔵庫をバックアップする場合は、定格出力だけでなく、起動時の電力にも余裕がある電源を選びましょう。
家庭用バックアップ電源を選ぶ6つのポイント
1. 容量(Wh)
容量は「どのくらいの時間、どれだけの電力を使えるか」の目安です。照明・通信中心の短時間対策なら1kWh前後、冷蔵庫を含む半日~1日程度の対策では2kWh以上の大容量ポータブル電源も検討対象になります。
容量を抑えたモデルを比較する場合は、小型ポータブル電源のラインアップも確認できます。製品仕様や在庫はエコフローオンラインストアで最新情報を確認してください。
2. 定格出力と起動時の電力
容量が足りていても、電源の出力が家電の必要電力を下回ると使用できません。特に冷蔵庫、電子レンジ、電気ケトルなどは、起動時または加熱時に大きな電力を必要とすることがあります。
3. 充電速度
災害発生後や停電が予想される前に充電する場合、短時間で充電できるかも重要です。充電時間は、使用する充電方法や電源環境によって異なります。
4. UPS機能・切替条件
停電時に通信機器やパソコンの電源をできるだけ途切れさせたくない場合は、UPS機能の有無と、接続方法・対応機器を確認しましょう。家庭内のすべての機器が自動で切り替わるわけではありません。
5. ソーラーパネルによる充電
日中にソーラーパネルで充電できれば、長期停電時の補助電源として役立ちます。ただし、発電量は天候、日照時間、パネルの設置条件、パネル出力、家庭側の消費電力によって変わります。ソーラー充電だけで常に電力をまかなえるとは限りません。
パネルの種類や組み合わせを比較する場合は、ポータブル電源ソーラーパネルやソーラー パネル 家庭 用の情報も参照してください。
6. 拡張性
停電が長引く可能性がある場合や、将来的に使う家電が増える場合は、容量を拡張できるかも確認しておくと安心です。
DELTA 3 PlusとDELTA 3 Max Plus:家庭の停電対策ではどちらを選ぶ?
家庭用バックアップ電源を検討する際は、必要な容量と出力に応じて選ぶことが重要です。具体的な仕様は、DELTA 3 PlusとDELTA 3 Max Plusの公式製品ページでも確認できます。
| 製品 | 容量 | 定格出力 | 拡張容量 | 向いている用途 | 主な家電の使用時間目安 |
|---|---|---|---|---|---|
| DELTA 3 Plus | 1,024Wh | 1,500W | 最大5kWh | 照明、通信、ノートPC、短時間の冷蔵庫バックアップなど | 扇風機(21W):約41.7時間、テレビ(60W):約14.6時間、冷蔵庫(110W):約8.0時間、電気毛布(54W):約16.2時間、スマートフォン(11W):約79.6時間、ノートパソコン(52.6W):約16.6時間、電子レンジ(1,000W):約0.9時間、炊飯器(350W):約2.5時間、電気ケトル(1,000W):約0.9時間 |
| DELTA 3 Max Plus | 2,048Wh | 3,000W | 最大10,240Wh | 冷蔵庫を含む家庭のバックアップ、より長い停電、複数機器の同時使用 | 扇風機(21W):約83.4時間、テレビ(60W):約29.2時間、冷蔵庫(110W):約15.9時間、電気毛布(54W):約32.4時間、スマートフォン(11W):約159.2時間、ノートパソコン(52.6W):約33.3時間、電子レンジ(1,000W):約1.8時間、炊飯器(350W):約5.0時間、電気ケトル(1,000W):約1.8時間 |
※使用時間は、EcoFlow公式の停電時試算をもとにした目安です。冷蔵庫は冬/夏、室温、庫内容量、扉の開閉などで変動し、複数機器を同時に使う場合は合計消費電力と稼働時間を別途見積もってください。
家電別の計算例では、DELTA 3 Plus(1,024Wh)は扇風機(21W)約41.7時間、冷蔵庫(110W)約8.0時間、スマートフォン(11W)約79.6時間、DELTA 3 Max Plus(2,048Wh)はそれぞれ約83.4時間、約15.9時間、約159.2時間が目安です。これらは家電の想定消費電力から算出した参考値であり、実際の使用時間は運転周期、変換効率、温度、バッテリー状態などで変動します。
DELTA 3 Plusが向いているケース
| 想定シーン | 目安 |
|---|---|
| 停電時に照明・スマートフォン・Wi-Fiを優先したい | DELTA 3 Plus |
| ノートPCや扇風機も使いたい | DELTA 3 Plus |
| 冷蔵庫を短時間バックアップしたい | DELTA 3 Plus、または使用条件に応じて容量拡張を検討 |
| 防災用として持ち運べる電源を備えたい | DELTA 3 Plus |
DELTA 3 Max Plusが向いているケース
| 想定シーン | 目安 |
|---|---|
| 冷蔵庫を含め、複数の家電を同時に使いたい | DELTA 3 Max Plus |
| 1日以上の停電も想定して容量に余裕を持ちたい | DELTA 3 Max Plus |
| 家族人数が多い、または通信・照明・温度対策機器を複数使いたい | DELTA 3 Max Plus |
| 将来的に大容量まで拡張したい | DELTA 3 Max Plus |
停電前に確認したいチェックリスト
- 優先して使う家電を決めた
- 各家電の消費電力と使用時間を確認した
- 計算結果に20~30%の余裕を加えた
- 冷蔵庫などの起動時電力を確認した
- 必要な定格出力を満たしている
- UPS機能の対応条件を確認した
- ソーラー充電は天候などで発電量が変動することを理解した
- 停電前に本体を充電しておく運用を決めた
Q. 家庭の停電対策には何Wh必要ですか?
照明・スマートフォン・Wi-Fiなどの最低限の利用なら、1kWh前後がひとつの目安です。冷蔵庫を含めて半日~1日程度の使用を想定する場合は、使用する家電と時間を計算し、2kWh以上も含めて検討しましょう。
Q. 冷蔵庫はどのくらい動かせますか?
冷蔵庫の稼働時間は、機種、庫内容量、室温、扉の開閉回数、コンプレッサーの動作状況などで大きく変わります。実際の使用条件を前提に、必要容量と出力に余裕を持たせることが重要です。
Q. 太陽光充電があれば、長期停電でも使い続けられますか?
ソーラー充電は長期停電時の補助になりますが、発電量は天候や日照条件、パネル出力によって変動します。使用する電力量を常に上回るとは限らないため、本体容量と必要電力をあわせて計画してください。
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