台風や地震で停電したとき、自宅のエネファームで電気が使えるのか気になっている方も多いのではないでしょうか。停電時発電継続機能が付いたエネファームは、停電が起きた時点で発電していれば、停電時専用コンセントの電気とお湯を使える仕組みです。
そこで本記事では、エネファームを停電時に使う方法や、使える時間と注意点について解説します。専用コンセントの場所や、エネファームだけでは補えない停電への備えも紹介しているので、エネファームを停電対策に活用したい方は、ぜひ最後までご覧ください。
エネファームは停電時に使える?
エネファームは停電時にも使えますが、停電時発電継続機能が付いた機種で、停電の時点で発電中の場合に限られます。条件を満たせば、電気に加えてお湯も使える点は心強いでしょう。エネファームの仕組みと、停電時に使える条件は以下のとおりです。
- エネファームの仕組み|ガスから電気とお湯をつくる
- 停電時発電継続機能|発電中の停電なら電気を使える
- 停電時発電継続機能がないエネファームもある
それぞれの内容について、仕組みから順番に詳しく見ていきましょう。
エネファームの仕組み|ガスから電気とお湯をつくる
エネファームとは、都市ガスやLPガスから取り出した水素を空気中の酸素と化学反応させ、自宅で電気をつくる家庭用の燃料電池を指します。発電するときに出る熱も捨てずに、お湯づくりに生かすコージェネレーションシステムの一種です。
電気を使う家の中で発電するため、発電所から電気を運ぶときの送電ロスが少なく済みます。つくった電気だけで足りない分は、電力会社から買う電気で補う仕組みです。
パナソニック製は、電気やお湯が必要な時間を予測して発電します。一方、アイシン製の「エネファームtype S」は、24時間続けて発電するのが特徴です(※1)。停電した時点で発電しているかどうかは、この発電の仕方の違いに左右されます。
※1参考:アイシン「エネファームtype S レジリエンス」
停電時発電継続機能|発電中の停電なら電気を使える
停電時発電継続機能とは、エネファームの発電中に停電が起きると、自動で停電時の発電に切り替え、電気とお湯の供給を続ける機能です。パナソニックによると、同社では2015年以降に発売されたエネファームに搭載されています(※2)。
停電中の電気は停電時専用コンセントから取り出し、パナソニック製で使えるのは最大500W。発電を続けるには、パナソニック製の場合は以下の条件を満たす必要があります。
- 停電した時点でエネファームが発電している
- ガスと水道が供給されている
- リモコンが「停電発電入」に設定されている
※2参考:パナソニック「レジリエンス機能について」
停電時発電継続機能がないエネファームもある
停電時発電継続機能は、すべてのエネファームに標準で付いている機能ではありません。パナソニックによると、2015年以降の発売でも一部に非搭載の機種があり、2014年発売の商品は別売のオプション品の接続で機能する場合があります(※3)。
パナソニック製なら、台所リモコンの「メニュー/戻る」を押し、メニューに「停電設定」が表示される機種が機能付きです。大阪ガスは、宅内に停電時専用コンセントがあれば、そのエネファームは機能付きだと説明しています(※4)。
※3参考:パナソニック「停電時発電継続機能搭載機種の見分け方」
※4参考:大阪ガス「エネファームは停電が発生しても発電をしたり…できますか?」
エネファームの停電時専用コンセントとは?

停電時専用コンセントとは、エネファームが停電中に発電した電気を取り出す、専用のコンセントです。停電中は、普段のコンセントや天井照明に電気が届かなくなります。専用コンセントの場所と、使えないときの確認ポイントは以下のとおりです。
- 停電時専用コンセントの場所|本体や室内の専用コンセント
- コンセントが見つからない・使えないときの確認ポイント
いざというときに慌てないよう、前もって確かめたい点を詳しく解説します。
停電時専用コンセントの場所|本体や室内の専用コンセント
停電時専用コンセントは、エネファーム本体から配線し、普段のコンセントとは別に室内などへ取り付けた専用のコンセントです。東京ガスによると、このコンセントは通常時には使えず、設けられていない住まいでは停電時に電気を使えません(※5)。
取り付け位置は住まいごとに異なるため、施工したガス会社や販売店に、事前に場所を確かめておきましょう。2014年に東京ガスが発売した別売の切替ユニットのように、室内の壁に付けた機器の本体に専用コンセントを備えた例もあります。
※5参考:東京ガス「停電時発電継続機能付きエネファームをお使いのお客さまへ」
コンセントが見つからない・使えないときの確認ポイント
停電時専用コンセントが見つからないときや、電気が出ないときは、原因を切り分けましょう。メーカーやガス会社の案内をもとにした確認ポイントは、以下のとおりです。
- 停電時専用コンセントが設置されているか
- 停電した時点でエネファームが発電していたか
- ガスが止まっていないか、手動で発電を止めていないか
- 発電停止日と停電が重なっていないか
- つないだ家電の消費電力が上限を超えていないか
大阪ガスによると、発電停止中に停電すると、一部を除き発電できません。アイシン製は使用電力が700Wを超えると出力が止まり、リモコン操作で再開できます(※6)。
※6参考:アイシン「エネファームtype S 停電時発電継続機能」
停電時のエネファームの使い方3ステップ

停電時は、リモコンで発電を確かめてから、家電を停電時専用コンセントへつなぎ替えるのが基本です。使う電力が上限を超えると電気が止まるため、合計の消費電力にも気を配りましょう。停電時にエネファームの電気を使うときの手順は、以下のとおりです。
- 手順1|リモコンで停電時の発電状態を確認する
- 手順2|使いたい家電を停電時専用コンセントにつなぎ替える
- 手順3|家電の消費電力の合計を上限内に収める
それぞれの手順で行う操作と、気を付けたい点を順番に紹介します。
手順1|リモコンで停電時の発電状態を確認する
停電が起きたら、まず台所リモコンの表示で、エネファームが停電時の発電に切り替わったかを確かめましょう。東京ガスの操作ガイドによると、パナソニック製は停電を画面と音で知らせるので、表示を確かめて「確定」を押す手順です(※7)。
パナソニック製は、500Wを使えるまで最長約10分かかる場合があります。アイシン製は約90秒で画面が点灯し、「自立」の表示が出れば電気を使える状態です。
※7参考:東京ガス「停電時に電気を使用するために(パナソニック製2023・2021年)」
手順2|使いたい家電を停電時専用コンセントにつなぎ替える
発電を確かめたら、使いたい家電のプラグを、普段のコンセントから停電時専用コンセントへ差し替えてください。前述のパナソニックの資料によると、エネファームとつながる給湯や床暖房には、エネファームから直接電気が送られます。
給湯器を別に組み合わせた「後付構成」では、お湯を使うために給湯器のプラグも専用コンセントへの差し替えが必要です。パナソニックは、途中で電源が切れると生命や財産に損害が出るおそれのある機器をつながないよう求めています(※8)。
※8参考:パナソニック「戸建住宅向け 標準モデル」
手順3|家電の消費電力の合計を上限内に収める
停電時専用コンセントにつなぐ家電は、消費電力の合計がエネファームの発電電力を超えないように選びましょう。パナソニック製の台所リモコンには発電電力と使用電力が並んで表示されるため、見比べながら家電の使用量を随時調整します。
パナソニックの調べ(2025年3月)による消費電力の目安は、以下のとおりです。
| 機器 | 消費電力の目安 |
|---|---|
| 冷蔵庫 | 約210W |
| 液晶テレビ | 約70W |
| ノートパソコン | 約60W |
| スタンド照明 | 約40W |
| スマートフォンの充電 | 約10W |
表の家電をすべて同時に使った場合、消費電力の合計は約390W。シャワーを使うとさらに約150W(2018年11月のパナソニック調べ)が加わり、500Wを超えます。
冷蔵庫は、インバーター式でないなど起動時の電流が大きい機種だと、停電時専用コンセントでは使えません。エアコンや電子レンジは、パナソニックが蓄電システムと連携した場合に使えるようになる、消費電力の大きな機器として挙げています。
停電時にエネファームは何時間使える?

停電時にエネファームを使える時間は、メーカーの公表値でパナソニック製が最長8日間、アイシン製が約20日間です。ただし、ガスや水道の供給の状態や、停電前から発電していた時間によって、実際に使える時間は短くなる場合があります。
機種ごとの時間の目安と、時間を左右する条件を詳しく見ていきましょう。
発電を続けられる時間は機種とガス・水道の供給で決まる
エネファームが停電中に発電を続けられる時間は、メーカーと発売年によって、最長で約4日間から約20日間まで幅があります。メーカーの公表値と東京ガスの操作ガイドをもとに、停電時に使える電力と時間をまとめると以下のとおりです(※9)。
| 機種 | 停電時に使える電力 | 発電を続けられる時間 |
|---|---|---|
| パナソニック製(2015・2016年モデル) | 最大500W | 最長約4日間(約96時間) |
| パナソニック製(2017年以降の主なモデル) | 最大500W | 最長8日間(192時間) |
| アイシン製(エネファームtype S) | 最大約700W | 約20日間 |
パナソニック製の時間は、停電前に発電を始めた時点から数えた値。どちらのメーカーもガスが止まると発電できず、パナソニック製は水道の供給も条件に含まれます。
※9参考:東京ガス「停電時に電気を使用するために(パナソニック製2015・2016年)」
停電時にエネファームを使うときの注意点3選

停電時にエネファームを使うときは、停電中に発電が止まる条件を前もって知っておくのが大切です。途中で止まったエネファームは、停電が復旧するまで再び動かせない機種もあります。停電に備えてあらかじめ押さえておきたい注意点は、以下のとおりです。
- 注意点1|ガスや水道が止まると発電できない
- 注意点2|貯湯タンクのお湯がたまると発電が止まることがある
- 注意点3|台風の前は発電停止日(メンテナンス)を避けておく
それぞれの注意点が起こる理由と、前もってできる対策を詳しく解説します。
注意点1|ガスや水道が止まると発電できない
エネファームは都市ガスやLPガスを燃料に発電するため、ガスの供給が止まると停電中も発電を続けられません。東京ガスネットワークによると、ガスメーターは震度5程度以上の揺れを感知すると、自動でガスを止める場合があります(※10)。
ガス漏れなどがなければ、メーターの復帰操作でガスは再び使用可能。パナソニック製は水道も発電の条件ですが、アイシン製は断水中も電気だけは使えます。
※10参考:東京ガスネットワーク「ガスメーターの復帰方法」
注意点2|貯湯タンクのお湯がたまると発電が止まることがある
パナソニック製のエネファームは、貯湯タンクがお湯で満タンになると、発電の熱をお湯づくりに使えなくなり、発電を止める仕組みです。停電中もお湯をまったく使わずにいると発電が止まり、停電時専用コンセントからの電気も使えなくなります。
満タンに近づくと浴槽へお湯を自動で流し、発電を続けるのがパナソニック製の「浴室排水設定」です。2021年より前に発売された機種は、停電後に手動で「入」にする必要があり、浴槽の栓を閉めたままだとお湯があふれる点にも注意しましょう。
アイシン製は、タンクが満タンでもラジエーターで放熱しながら発電を続けます(※11)。ただし、停電中に放熱しきれないときは、浴槽へお湯を約20L出す仕組みです。
※11参考:アイシン「エネファームtype S かんたん操作ガイド(2026モデル)」
注意点3|台風の前は発電停止日(メンテナンス)を避けておく
アイシン製のエネファームには、26日間続けて発電すると、27日目に24時間以上発電を止める「発電停止日」があります。ガスマイコンメーターの保安機能を正しく働かせるための停止で、この日に停電が重なると停電中の電気を使えません。
前述のアイシンの操作ガイドでは、台風などで停電が予想されるときは、2日以上前に発電停止予定を確かめるよう案内しています。アプリの「停電時自立発電継続サポート」を使えば、台風の停電予測に合わせて停止日が自動で調整される仕組みです。
パナソニック製の2021年以降の機種は、ウェザーニューズの停電リスク予測を受信すると、48時間発電を続ける「停電そなえ発電」に切り替わります。手動で切り替えるなら、停電が予想される時刻の2時間ほど前までにリモコンで設定しましょう。
エネファームが使えない停電に備えるポータブル電源
ポータブル電源とは、内部に大量の電気を蓄電し、コンセントがない場所でも電化製品に給電できる機器を指します。エネファームが停電時に発電していなかったときや、専用コンセントから離れた部屋で家電を使いたいときの備えとして有効です。
エネファームと組み合わせるときに必要な性能を、詳しく見ていきましょう。
停電対策に必要な性能|おすすめの製品
エネファームと併せて備えるポータブル電源は、停電時専用コンセントの上限を超える出力と、発電が止まっても家電を支えられる容量で選ぶのが基本です。停電時に給電を自動で切り替える機能や、ソーラー充電への対応も比べておきましょう。
停電対策のポータブル電源に求めたい性能は、以下のとおりです。
- 定格出力:家庭のコンセントと同じ1,500W以上なら電子レンジも使える
- 容量:「消費電力×使う時間÷0.8(変換ロス分)」で必要な量を見積もる
- 停電時の自動切替:停電を検知すると家電への給電を自動で切り替えられる
- ソーラー充電:ガスや水道が止まっても、太陽光で本体を充電できる
例えば、液晶テレビ(約70W)とスタンド照明(約40W)を5時間使うなら、約688Whでまかなえます。消費電力は、前述のパナソニックの調べによる目安を使いました。
パナソニック製のエネファームは、停電から500Wを使えるまで最長約10分かかる場合があります。自動切替に対応したモデルなら、その間も冷蔵庫へ給電を続けやすいでしょう。
EcoFlowは、エネファームと併せて備えたいポータブル電源を販売しています。
- DELTA 3 Plus
- DELTA Pro 3
それぞれのモデルの特徴と、停電時に心強いポイントを押さえておきましょう。
DELTA 3 Plus
容量1,024Wh、定格出力1,500Wの、防災用に便利な小型・軽量のポータブル電源。X-Boost機能で最大2,000Wまで対応できるため、電子レンジやドライヤーのように、エネファームの停電時専用コンセントの上限を超える家電も動かせます。
停電を検知すると10ms未満で給電を自動で切り替えるため、停電の瞬間も冷蔵庫などへの給電が途切れにくい設計です。悪天候の警報が出るとスマートフォンに知らせ、本体の充電を優先する機能もあるため、台風の接近前でも慌てずに停電へ備えられます。
→コンセントから最短56分でフル充電「DELTA 3 Plus」
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DELTA Pro 3
容量4,096Wh、定格出力3,600Wの大容量ポータブル電源。家庭と同じ単相100Vと200Vの両方に対応し、200Vのエアコンにも給電できます。エネファームの停電時専用コンセントでは使えない家電も、停電中にまとめて動かせるのが強みです。
商用電源が止まると0.01秒未満で給電を自動で切り替え、つないだ冷蔵庫などを急な停電から守ります。最大2,600Wのソーラー充電にも対応しているため、ガスの供給が止まって停電が長引いても、太陽の光から電気を作り足せるでしょう。
→エクストラバッテリーで最大12kWhまで容量を拡張「DELTA Pro 3」
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エネファームの停電時に関するよくある質問

最後に、エネファームの停電時に関するよくある質問と、その回答を紹介します。停電中の起動や復旧後の操作など、停電の前後に迷いやすい点をまとめました。
- 停電中に止まっていたエネファームは起動できる?
- 停電から復旧したらエネファームの操作は必要?
それぞれの質問への回答を、ポイントを絞って分かりやすく解説します。
停電中に止まっていたエネファームは起動できる?
停電した時点で発電を止めていたエネファームは、基本的に停電が復旧するまで自力では起動できません。前述の大阪ガスも、発電を停止しているときに停電した場合は、一部の機器を除いて発電できず、停電の復旧を待つよう案内しています。
パナソニック製の2017年以降のモデルは例外で、携帯型の蓄電池や発電機などの外部電源をつなぐと起動できる仕組みです。パナソニックは、出力1kW以上・容量0.5kWh以上を目安とし、すべての市販品での起動までは保証していません。
起動から発電開始までは、都市ガスで約55分、LPガスで約105分かかります。停電が長引きそうなときに備え、使える外部電源を前もって確かめておきましょう。
停電から復旧したらエネファームの操作は必要?
停電から復旧すると、エネファームは自動で通常の運転に戻るため、発電を再開するための操作は基本的に不要です。メーカーの説明では、パナソニック製は停電前の発電モードへ、アイシン製は通常運転へ、それぞれ自動で切り替わります。
停電時専用コンセントにつないだ家電は、元のコンセントへ差し替えてください。大阪ガスによると、「19F00」などのエラーが出ても、リモコンの運転リセットで解除できます。併せて、次の発電停止予定日もリモコンで確かめておくと安心です。
まとめ

本記事では、停電時のエネファームの使い方や注意点を解説してきました。
停電時発電継続機能が付いたエネファームは、停電した時点で発電中なら、停電時専用コンセントの電気とお湯を使えます。上限はパナソニック製で最大500W、アイシン製で最大約700Wで、使える時間はそれぞれ最長8日間と約20日間が目安です。
ガスの供給が止まったときや、停電の時点で発電していなかったときは、停電中にエネファームの電気を使えません。台風が近づく前には発電の予定を見直し、エネファームだけでは補えない停電に備えて、別の電源も用意しておくとより安心です。
EcoFlowは、エネファームが使えない停電に備えられるポータブル電源を販売しています。停電中も普段に近い生活を送りたい方は、ぜひ製品の購入を検討してください。
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